ウニなど海産生物の幼生の多くは体表面に生えている繊毛で遊泳しています。これらの繊毛は、私たちの体にも存在する精子鞭毛や気管繊毛と構造的にほぼ同じ器官です。
海産生物の幼生には他の繊毛に比べ長く、運動性に乏しい頂毛と呼ばれる繊毛が存在します。
この頂毛の役割に関してこれまでほとんどわかっていませんでしたが、今回単離繊毛のプロテオミクスにより頂毛に多く存在するタンパク質グルタチオン S-トランスフェラーゼθ(GSTT)を同定しました。また阻害剤を用いた実験により、GSTTが幼生の遊泳と機械刺激受容に関与していることを明らかにしました。
ウニプルテウス幼生の遊泳
幼生繊毛の位相差顕微鏡像を高速カメラで撮影