マガキガイは浅瀬の砂地に生息する巻貝の一種で下田近辺でも普通に見られる貝です。雌雄異体で体内受精を行います。オスは核があり卵と受精する正型精子と核を持たず受精において補助的な役割を行う異型精子の二種類の精子を有します。今回マガキガイ正型精子の運動を詳細に解析することにより、精子の遊泳方向や鞭毛波形が運動時間やカルシウムシグナルに応じて変化することがわかりました。興味深いことにマガキガイの正型精子は二つの後方遊泳パターンを持ちます。これらの後方遊泳は運動開始直後の精子束からの解離とメス体内における貯精囊からの解離にそれぞれ役割を果たしているものと思われます。
体内受精を行う精子のほとんどが受精を効率的に行うために運動抑制や活性化などの運動変化を示します。本研究は体内受精のメカニズムや鞭毛運動制御の解明に役立つものと考えられます。
また異型精子の役割、形成機構についても現在研究を進めています。
マガキガイ Strombus luhuanus
異型精子と正型精子
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